米国ETFの分配金の二重課税を調整するためには、確定申告で「外国税額控除」を受ける必要があります。
「外国税額控除」を受けるためには、以下の2つの入力を行う必要があります。
- 配当所得の入力
- 外国税額控除の入力
本記事では、「配当所得」と「外国税額控除」の入力方法を画像付きで解説しました。
なお、給与所得など「配当所得」と「外国税額控除」以外の入力方法は割愛していますので、忘れずにご自身で入力をお願いいたします。
外国税額控除のために必要なもの
以下の2点を手元に準備してください。
- 令和2年(2020年)分の源泉徴収票:会社から受領するもの
- 令和2年(2020年)分の特定口座:証券会社から郵送で受領するもの(電子交付の場合もあり)
配当所得の入力方法
収入金額・所得金額の入力
自分の課税所得額によって「総合課税」か「申告分離課税」か選びべき方式が異なります。本記事は、「申告分離課税」の場合の入力方法です。
「分離課税の所得」の項にある、「上場株式等に係る配当所得等」の「入力する」をクリック。
金融・証券税制(入力項目の選択)
1. 配当所得の課税方法の選択
「申告分離課税」を選択。
2. 株式等の売却・配当・利子等の入力
特定口座(源泉徴収あり)の場合の入力方法です。
『「特定口座年間取引報告書」の内容を入力する』をクリック。
「書面で交付された特定口座年間取引報告書の入力」をクリック。
金融・証券税制(特定口座)
1. 口座情報の入力
「源泉徴収の選択」と「勘定の種類」:
特定口座年間取引報告書の内容と同じものを選択する。
2. 「配当等の額及び源泉徴収税額等」の入力
「A」、「B」、「C」、「D」に、特定口座年間取引報告書の数値をそのまま入力する。
3. 「金融商品取引業者等」の入力
「証券・銀行名等」と「本支店名等」:
特定口座年間取引報告書の情報をそのまま入力し、「入力終了(次へ)」をクリック。
金融・証券税制(入力項目の選択)
2. 株式等の売却・配当・利子等 の入力の続きです
本記事は「特定口座(源泉徴収あり)」の場合の入力方法なので、以下の3項目は何もクリックしなくてもOK。
- 株式等の「取引明細」などの内容を入力する方
- 「配当等の支払い通知書」などの内容を入力する方
- 「利子等の支払い通知書」などの内容を入力する方
以下の項目は当てはまる方を選択。
- 令和元年分の申告で上場株式等に係る譲渡損失の金額を繰り越した方
3. 株式等の売却等について「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」を手書き等で作成済みの方
何もせず、「入力終了(次へ)」をクリック。
収入金額・所得金額の入力 の続き
「配当所得」には、「分離課税の配当所得の入力有」と自動表示されています。
また、「上場株式等に係る配当所得等」にも所得金額は表示されているはずです。
「入力終了(次へ)」をクリック。
外国税額控除の入力方法
税額控除・その他の項目の入力
「外国税額控除等」の「入力する」をクリック。
外国税額控除の入力
「外国税額控除額の計算がお済みでない方」を選択。
1. 本年中に納付する外国所得税額
以下は、「米国ETFの分配金」に関する入力方法です。
- A:「米国」と入力
- B:「源泉」を選択
- C:「分配金」と入力
- D:令和2年(2020年)分に受領した分配金については、「令和2年1月1日」~「令和2年12月31日」と入力すればOK。
- E:「源泉所得税」と入力
- F:年末の「令和2年12月31日」を入力。
- G:特定口座年間取引報告書の「配当等の額(円)」を入力
- H:特定口座年間取引報告書の「外国所得税の額(円)」を入力
2. 調整国外所得の計算
特定口座年間取引報告書の「配当等の額(円)」を入力。
3. 外国所得税額の繰越控除余裕額又は繰越控除限度額の計算
自分の住所にあわせていずれかを選択。
4. 前3年以内の所得税の控除限度額等
過去3年に外国税額控除をしていれば入力。
今回が初めての外国税額控除であれば、何も入力せずに「入力終了(次へ)」をクリック。
「外国税額控除等」の項目に、控除額が表示されています。
お疲れさまでした。以上で外国税額控除に関する入力は終了です。
まとめ
米国ETFの二重課税を調節するためには、確定申告で「外国税額控除」を受ける必要があります。
この「外国税額控除」を受けるためには、以下の2つの入力を行う必要があります。
- 配当所得の入力
- 外国税額控除の入力
そしてこの入力は、以下の2つの書類があれば完了することができます。
- 源泉徴収票
- 特定口座年間取引報告書
せっかく受領した分配金なので、しっかり確定申告をして取り戻しましょう!!